とても似ているけど 少し違う風景

 

前より明るく感じる 教室

 

 

そんなふうに思うのは きっと

 

ココに君がいるから…

 

 

 

 

 

 

 

VIVID!!
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「はぁーい!座って、座って!!」

 

いつのまにか教卓の前に立っていたラミアス先生がぱんぱんと手を叩いた。

 

 

すると生徒達はギャーギャー喚きながらも、席に座る。

 

 

「もうすぐ海開き。けど調子にのって遊びまくっちゃダメよ?

遊ぶ時は遊ぶ、頑張る時は頑張る。きっちりけじめをつけなきゃね!」

 

 

マリューがそういいながら、たまにちらりと扉の方を気にしていることに気付いたミリアリアは、

 

「先生どうかしたの?」と尋ねてみた。

 

 

すると、見るからに慌てて「ど、どうもしないわ!」と返ってきた。

 

 

「え〜先生アヤシい。なんかあるんじゃないの〜?」

 

「もしあったとしても、お楽しみが先に言われちゃうのってなんか悔しいじゃない?」

 

そういたずらっぽく笑ったマリューは「けど…」と続けた。

 

 

「そろそろフラガ先生が来るはずなんだけど…」

 

そういった途端

 

 

 

 

 

 

「お呼びですか、ラミアス先生?」

 

素晴らしいタイミングで扉が開かれ、外から人が入ってくる。

 

金髪長身で、白地に赤のラインの入ったジャージを格好よく着こなしている。

 

いつでも、どこでも、なにを着てても、腕まくりをしてしまうその人に、

 

マリューは呆れたように呟いた。

 

 

「フラガ先生、もっと早く来れると思うんだけど…まぁいいわ。」

 

「さぁ、入って!」

 

 

言われて静かに入ってくるその人は、廊下側の後ろの方の席で、ぼーっと半分寝ながら座っていた少年を覚醒させるに充分だった。

 

 

「ラ、ラクスっ…!?」

 

 

うっかり大きな声を出しそうになるのを抑えて、けれどどうして?と表情で問う。

 

彼女はそれにはいつも通りの笑みを浮かべただけで、マリューに促され自己紹介を始めた。

 

 

「はじめまして、ラクス=クラインと申します。好きなことは歌を歌うことです。

えっと…わからないことだらけなのですけれど、どうぞよろしくお願い致します。」

 

 

そういってぺこりと頭を下げるラクスに、浴びせられる歓迎の拍手。

 

それににっこりと笑顔で返して、すっと一歩下がった。

 

 

 

 

 

 

「ラクスさんは、小さい頃から外国に住んでて、今回初めてオーブの学校に通うそうなの。

だからみんな、慣れないことが多いだろうし、優しくしてあげてね。」

 

それに対する生徒達の返事を聞いてから、マリューはラクスに席に座るよう言った。

 

彼女にあてがわれたのは、廊下側の一番後ろ。

 

つまり、キラの真後ろだった。

 

 

 

 

 

 

「あと、学校案内よね。どうしようかしら…?わたしもフラガ先生も、この後職員会議が入ってるから…。」

 

「あ、僕が行きます。どうせ暇ですし…」

 

さっと手をあげたキラに、「それじゃ、お願い」と笑いかける。

 

 

そのときキラがふと視線を横にずらすと、ものすごい形相で自称副担任がこっちを見ていた。

 

―――僕、ラミアス先生になにかしたっけ…

 

 

苦笑いを浮かべつつ、そんなことを考えた。

 

 

 

 

 

 

そうこうしている内にHRは終わり

 

言われたとおり学校の案内でもしようと、振り向いたら彼女は結構な数の生徒に囲まれている。

 

 

―――転入生って貴重だからなぁ…

 

 

とりあえず自分の帰る用意は済ませて、人が減るのを待つことにした。

 

彼女の方も人と楽しそうに会話しつつも、さっさと帰る用意を進めている。

 

そしてキラは、帰る用意が出来た頃を見計らって声をかけた。

 

 

「どうする?学校の案内は明日にしとこうか?今日はクラスの人達と談笑にしとく?」

 

「いえ…ここまで待って頂いたのに、また明日もご迷惑をかける訳にはいきませんわ。」

 

 

そういうと周りの生徒に本当にすまなそうにしながら、その輪を切り抜けた。

 

―――よし、シナリオ通り(心の中の)

 

 

 

 

 

 

廊下を2人並んで、てくてくと歩きながら会話を始める。

 

「でも本当にびっくりしたよ。ここに来るなら来るって言っといてくれればよかったのに…それになんでこんなに中途半端な時期に?」

 

「あら、言っていたらキラの驚いた顔が見れないではありませんか。

それと、なぜこの時期かといいますと…」

 

「と?」

 

「思い立ったら、すぐ動かないと実行できない、と思いまして。

それに父の転勤も決まっていましたし、家族揃って引っ越してまいりましたの。」

 

 

キラも、笑ったラクスにつられて笑みを浮かべる。

 

 

「でも、そっかぁ。これでいつでも…ってわけじゃないけど、すぐに会えるね?」

 

「ですわね。」

 

 

くすりと笑いあう。

 

 

「さて、帰ろうか。送ってくよ。」

 

 

「え、では学校は…?」

 

 

「いいの、いいの。なんとかなるって。」

 

そういってくいっとラクスの腕を引っ張った。

 

自分の腕の中にすっぽり収まった彼女の、耳元にそっと囁く。

 

 

―――いつでも僕が案内してあげる

 

 

ね?と彼女の顔を見る。

 

 

「ならいつでも…聞ける距離に居ていただかなくては。」

 

「うん、そのつもりだよ。だから君も…」

 

 

―――僕以外に聞かないで

 

 

茶目っ気たっぷりに、ふざけた口調で言っておきながら、その紫色の瞳だけは真剣で

 

ついつい頷いてしまったラクスに満足して、キラは楽しそうに彼女の手をとって歩き出す。

 

 

 

 

 

 

これからはもっと楽しくなる、と

 

 

それは 絶対に近い確信

 

 

 

 

 

 

 

 

学園パロ〜一度は書いてみたかったんです…きゃーごめんなさいぃ〜

この前のカラオケの副産物…そしてデータが吹っ飛んだので全部書き直した涙の結晶

悲しくて、空しくて。やってられませんですよ、もうっ!

そんなこんなで書き直したら、全く違うモンができましたとな。

タイトルはFAIRY FOREさんの“VIVID”からそのまま頂きました。

最初のはね、これ聞きながら書いてたんですよ。すごいハイテンションで。ははは…なんかすごい昔を話してる気分です。

 

さて、ちょっと(かなり)描写不足で書ききれなかった設定があるんですね。必要最低限の。もちろん、そのうちまとめるつもりではありますが、とりあえず応急手当を…

 

旧主人公4人はとりあえず現時点は入学したてで、ラクス嬢が転入してきたのは5月初め。

→転入ネタは書きたかったんですが、当初の設定“22学期”だと女王にするのは、ちと難しいかなぁ…と。

ついでに、ラクスはアスランの従兄妹という裏設定も。生かせる機会はあるのでしょうか…?

とっても、行き当たりばったりな話ではありますが(またかい)…続くと思います。続くといいな。続くかな…

 

ご指摘、ご感想、ご要望(ネタを提供してやって下さい!!)など是非コチラへ!!

 

 

 

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