僕はココにいる。だからまだ消えないで・・・。




Phantom Of Rain




雨が降るこんな日はおもいだす。色々なことを。

自分が守ると約束した命、守りたかったモノ、守らなければならなかったモノ

それら全て守れなかった自分に当たってくるみたいだ。

雨というモノに替わって僕を抉る

傷は癒えないまま、乾かないまま、次々とつきささってくる。

冷たく、哀しく、寂しくて・・・そして痛い




ふと後ろから人の気配を感じた。ゆっくりと振り返る。

すると彼女は驚いた顔ですこし笑った。

「わたくし気付かれてなどいないとおもいましたのに。」

「ラクス・・・ダメだよ、ちゃんと傘ささなきゃ。」

ラクスはそんなキラを見てまたくすりと笑った。

「キラだってさしてはおりませんのに。」

いわれてみて初めて気付く。確かに自分も長い間傘もささず、突っ立っていたのだ。

人のこと言える立場じゃない。

「けどっ・・・!」

キラの言葉を遮りラクスは言った。

「本当はわたくし、ただキラが何を見て、何を感じているのか傍にきて確かめたかっただけですの。

そしてそっと微笑んだ.

「ラクスは・・・」

「はい?」

「ラクスはココにいてくれる?他の人みたいに・・・この雨みたいにどこかに消えてしまったりしない?」

驚いた顔をしたラクスはまたいつも通りその顔に暖かな笑みを浮かべた。

「えぇ。わたくしはココに居ますわ。貴方がわたくしを必要ない、そう思う日が来ないならずっと。けれどキ
ラ・・・。」

「なに?」

「貴方は雨がどこかに消えてしまう、そうおっしゃいましたけれど。わたくしにはただ形を変えているだけのように感じますわ。人が大人になってゆくのと同じように、雨もまた川や海という大きなモノになってゆく。お互いに協力しながら。」

そういうラクスの声を聴きながらキラはそっと目を閉じた。

「・・・ありがとう。」



君といるとほら、あんなに冷たく、痛かった雨がこんなに綺麗。

君と、そして僕の周りにある君のいる風景に心からの

『ありがとう』
















       暗いっ!!甘いのが書きたいです。明るくて。次こそそんなの書けるといいなあ・・・。
あ、タイトル別に某小説のタイトルぱくったわけではありません。たまたま・・・
でも文法的にあってるのかなぁ?私英語苦手だし・・・。

 
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