空から 伸ばされた一本の糸 それを垂らした天上の誰かは 純粋に 自分を助けてくれようとしているのか 糸を掴み 必死に上ろうとする自分の浅ましさを あざ笑いたいのか 見極めることなど できる筈がなかった 硝子のような瞳には 後悔ばかり残る過去しか 映っていなかったのだから
Select Infinity 生き残った自分はなにをすればいいのか。 かつて殺そうと躍起になっていた人は、どうやら平和で穏やかな世界を作るのだと走り回っているらしい。 …同志とともに ご苦労な事で。 そう1人、皮肉げに呟いた。 どうせそんなもの、すぐに壊れるさ。 作るにはとてつもない労力や努力と時間が要るけれど、崩れ去るのは一瞬だ。 壊すものは、造り上げた者の心を知らず。 永遠にと願った者の心を知らず、都合のいい方へとねじ曲げ変えてゆく。 その後、できた歪みに飲み込まれ、罪無く喘ぐだろう人々の事など、少しも考えないに違いない。 目を閉じて、ふぅ…と呆れたように、ため息をもらした。 くだらないと思いつつも、どこかに微かな希望を抱いている自分に。 苦しみながらも前を向くことを―――人前にでることを選んだ人間なら、もっと別の物が創れるのではないかと。 普通という名の平穏を欲しがった彼らなら。 そんな考えこそ馬鹿げている。 そう思いつつ考えてみる。 思い出すのは、一人の少女の最期の幻。 (ステラね、明日をもらえたの…) 脳裏に蘇る彼女の声は、とても嬉しそうだった。 当たり前に得られる筈の『明日』が――未来がなかった彼女の言葉。 少年は重い腰をあげた。 まだまだ続くだろう未来を見る為に。 ――彼女の『明日』と出会えるように。 罪と同じ響きを名に持つ少年は、少しずつ進もうとしていた。 今いる場所から、一歩前へと。 今ある大切なものを落とさないよう、握り締めて。
天から伸ばされた糸は 彼の頭上でたゆたう。 少年の紅の瞳は それを捕えた。 まっすぐに。 『それを掴めば、あなたはきっと…』
けれど少年は自分の足で立ち上がり、荒れ果てた地を進んだ。
ただ少しだけ…そう、少し。 もう少しだけ、見てやろうと思った。 ただ、それだけだ。
同窓会で白狼ちゃんにいわれた「なら糸を垂らしてあげるよ」発言(ちょっと記憶に自信が無い)からヒントを得て。英語…綴りとか使い方とか間違ってそう。ばか丸出しだわ。あぁスランプ真っ盛り。なんか書こうと思って捻り出したブツです(笑)
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