目の前の彼女が今 なにを考えているのか
ドライアイスは本当に やけどするほどつめたいのか
蛍光灯は触ってもやけどしないのに 豆電球はやけどする とか
そんなこと実際に触ってみなきゃ 聞いてるだけ 想像するだけじゃ わからない
happy days <お題No1.掌>
彼女は有名人だ。
少し買い物をしていただけでも、たくさんの人がお店の入り口からこっちを見る程に
ここはオーブにあるショッピングモール
簡単な食事のとれるファーストフード店、雑貨屋、ブランドショップなど様々なジャンルのお店が並ぶ。
ココに来たら大抵の物は揃うので、“オーブの代表首長”もよくお忍びでやって来ている。
彼女の場合はボディーガードを巻き込みながら、サングラスや帽子などで軽く変装してたけど…
「あら、キラ。これなんかいかがです?」
「え?」
僕に服を持たせて、彼女自身は数歩後ろに退がった。
「よくお似合いですわ。これにしましょう、ね?」
そういってにっこりと笑ったラクスに、反射的に頷いてしまう僕
そして彼女はその服を持ってカウンターへ向かおうとする
「って、ちょっと待って!今日はラクスの買い物に来たんだよ。
折角久しぶりにオーブに来たんだし、ラクスが欲しいものを買いなよ。
僕はいつでも来れるから…。」
はた、と前をみるとラクスがぷぅっと頬を膨らませている。
「キラはお嫌ですの?」
「へ?」
「わたくしはただ2人であーでもないこーでもないと、(少し新婚さん気分で)お買い物したかっただけですのに。
キラはずっと、なにか考え事してらっしゃいますし…」
「そ、そんなことないよ。全然!
ラクスと僕、2人とも同時に休みがとれて久しぶりに会えたんだから。すごく嬉しい。」
「…本当に?」
「本当に。」
するとラクスはいつも通りの笑顔を浮かべていった。
「ならば、キラ。あちらの6つ重なったアイスで仲直りにしましょう?いかが?」
「…よろこんで奢らせていただきます。」
『あれ本当に食べきれるのかなぁ』なんて考えていると、隣からくすくすと笑う声がする。
『なにに笑ってるの?』とかって尋ねようと思った。
けど…
ちょっとドキドキしながら、そっと手をさしだす。
さしだされた左の掌を不思議そうにみているラクスに声をかけた。
「…行こっか?」
「…はい。」
僕の掌の上に、彼女の手がのせられる
暖かくて、少し柔らかい
赤くなったり緩んでしまいそうな頬をいつも通りに保って、彼女にそっと顔を近づけた。
こっちに寄ってきていた男の人の、ぽかんとした表情も視界の隅に入れながら…
そんな人を見ていると、ふと空の上の知り合い達の顔を思い浮かべた。
「…僕の明日はイザークの怒鳴り声で始まるような気がする。」
「まぁ、それは大変ですわね。」
そうやって2人くすりと笑いあった。
ドライアイスも 豆電球も
触るととても痛くて 熱くなるけど
てのひらの上の手は とても優しくて 暖かい
そんな存在
は〜い、またしても短文でございます。
本当はラクス嬢に「いちゃいちゃ」という言葉を言わせたかったのですが…
見事玉砕にございます。というか無理です、私には。
だってラクス嬢「千沙はただ一清様といちゃいちゃしたいだけなのにっ!!」みたいなこと、いわないですもん。
(これできっと何のこと言っているのかわかった人もおられる筈…)
…ということで書き直しました。倉木麻衣サンの曲を聞きながら。
タイトルもそこからいただきました。彼女の曲の中で一番好きなんですよ。
まぁ手直ししている間に全く別物になってしまいましたが(笑)
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