Love at first sight?
「オーライオーライ」
12月24日。
いつも通りの仕事をこなす。
雪が降りそうなくらいに寒い午後。
こんな日に彼女でも居れば楽しいんだろうとは思うけどな。
生憎俺は1週間ほど前に別れた。
原因はもちろん「好きな人が出来た」と彼女が言ったからだ。
俺もさほど彼女に執着もしてなかったからちょうど良いと言えば良かった。
それに一人の方が楽と言えば楽。
時間に縛られることもない。
けど、確かになんだか物足りないと思うときもある。
「ストップ」
仕事中に何を考えてるんだ、俺は。
すぐに運転席に駆け寄り、運転手の言うことを聞く。
それからその通りに動く。
ひと段落着いた昼も大幅に過ぎた頃、昼飯を買いに近くのコンビニへ向かった。
そこからガソリンスタンドに帰って来ると、さっきは居なかった人が立っていた。
後姿だけじゃ男なのか女なのかよく分からない。
携帯で誰かに連絡しているらしい。
俺はその隣を通り抜け、振り返る。
その子は細い体つきをしていた。
じっとその子を見ていると、ふと目が合った。
それからしばらく動けずにいた俺。
「何か、ついてますか?」
「あ、いや…綺麗な子だと思って」
「あ…ありがとうございます」
照れたように頬を掻いたその子。
「誰か待ってるのか?」
「えぇ、まぁ…」
曖昧な言葉だけどそれは肯定。
つまり直に誰かが来るって事だ。
「君、名前は?」
俺がそう聞き、その子が答えようとした瞬間。
「渫」
声と共にその子の体がぐらりと傾いた。
何が起こったのかわからず、じっとそれを眺めていた。
するとその子の後ろから現れたのは綺麗な顔をした、男か女か見分けの付かない人。
でも腕や足がすらりと長いし、背も高いから男か。
その人はその子を片腕で抱き寄せ、バイクの後ろに乗せた。
綺麗な青い眼。
その目は鋭く、深い。
見ているだけなのに何かに引きずり込まれるような錯覚に陥る。
「炯」
炯と呼ばれた人物は俺をじっと見て、口元を緩めてにやりと笑った。
「…おにーさん、こいつに手ェ出さないでくれる?」
「え…」
男にしちゃ声が高い。
まさか、この人は…。
「こいつ、アタシのモンなんで」
やっぱり…この人、女―――!!
身長は俺と同じくらいありそうな人なのに。
そこらの男よりも男らしく見えるのに。
「分かったら、さっさと渫の手ェ離してくれないか?」
そういわれて自分が渫、という子の手を掴んでいたことに気付く。
慌てて離すと炯さんはその手を掴み、その手に口付けた。
慌てて見てないフリをしたけど、絶対にばれてる。
「渫、ちゃんと捕まってろよ」
「うん」
「あ、そうだ。
おにーさん、勘違いしてるかもしれないから言っといてやるけどさ。
渫は男だからな」
そういい、彼女達は去った。
手に残るあの子の手の感触。
あんなに細い子が、男…!?
あんなに男らしい人が、女…!?
世の中には何があるか分からない。
その日、その一瞬で、俺の世界観が変わった。
…訳が分かりません。
なんだったんだろう、この話。
全然くーちゃんのリクエスト通りじゃない…!!
クリアしたのはガソリンスタンドで働いてるおにーさんだけ…(苦笑)
ごごごごめん、くーちゃん!!
気に入らなかったら書き直すよっ…。
ちなみに題は『一目惚れ?』です。
クエッションつけてんじゃねぇよ!(自分でツッコミ…)
緤儚理夜ちゃんからいただいちゃいました!
「ガソリンスタンドの兄ちゃんが、格好いいお姉さまにツブされる可哀想な話を書いてv」という、くろこのバカで傍迷惑なお願いに応えてくれたのです。
ありがたや。見事にお願いクリアーですよ!おにいさんの可哀想ぶりがOK!!
満足です。ツブされてくれましたから。
なによりおねェさん、活躍してはりますからッ!
フフフ。これからもよろしくねぇ…
私の煩悩の為にも頑張ってくだせえ!
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